2009年10月23日金曜日

Dora di Sanguineto サングイネート ドーラ嬢

 

当店創業以来、ずっと定番で扱っているサングイネート。

ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノで伝統的な、当主のドーラ嬢の言葉を借りるならば『真面目な』ワインを造る、小さなワイナリーです。

ノービレ・リゼルヴァの2003年などは、今かなり飲み頃です。

You Tubeで彼女の素敵なインタビューを見つけましたので、ぜひ見てみて下さい。イタリア語が分からなくたって、今後あの、大きく赤く〝S”と書かれたラベルを手に取るたびに思い出せるくらいには、印象に残るキャラクターだと思います。

「サングイネートを語ること、それはドーラを語ることに他ならない」と冒頭で彼女が述べている通り、サングイネートのワインは、ドーラそのものです。

店長、ちょっと時間が見つかったら、インタビューの翻訳も載せますね。

まずは、彼女の愛すべき、皺だらけの顔と、とってもセクシーなガラガラ声だけでも聞いてみてください。

。。。。(ちょっと時間見つけました)

DORA ドーラ
"Sanguineto….che dire…..(頭をかきながら)
  Parlare di Sanguineto e’………e’ parlare di Dora.
  Il suo amore per il vino.”

「サングイネートについてって…なんといえばいいか…
サングイネートについて語ること、それは、ドーラについて語ること。
ワインへの愛について、を」
(突然照れて「や~~~はずかしい」とカメラに寄ってくる)

Sanguineto サングイネート (0’25”)
「人生においては、誰もがそれぞれに目標を持っているでしょう?…そこにたどりつきたいというような。
わたしだって若い時は世界中を放浪したり、まあいろいろやんちゃなこともしてきたけれど、サングイネートという場所において、わたしはわたし自身を実現しようと試みてきた。

ワインというものを通してね(Attreverso il vino)。

作品に、わたしのサインを残すみたいに、ね?」

Il Vigneto ぶどう畑 (0’57”)
「(最初の剪定作業のため)畑のある丘に足を踏み入れ、頂上を見上げた瞬間「わたしあんなところまでたどりつけるわけない」って思った。

だからくるりと背中を向けて、目の前に果てしなく広がる(モンテプルチャーノの)風景を眺め、そのままバックギアーで進むことにした。

さっきの恐怖を持たずに仕事を進めているうちに、いつの間にか頂上にたどり着いていたってわけ。」(中略)

「剪定が終わった最後の日、家にやっと辿り着いて、わたしはボロボロに疲れてて…でもその夕暮れ時の田舎の匂い、音…全てが帳消しにされてしまう。

音の沈黙…失礼、〝沈黙の音”って、聞いたことない?」

Il Vino ワイン (1’53”)

「わたしはトラディツィオニスタ(伝統主義者)なので、もちろん、伝統にぴったり寄り添ってワインを造ってる。代々譲りうけてきた伝統を、守り続けていきたい。そのために努力してる。誰かに語り継がれることを祈ってね。

わたしが教えられたことを、わたしなりに解釈し、時に洗練させ…それはまあ第三者が決めることだから知らないけれど…それらを全て、

…すべて一本のワインのボトルに送り込んでいる。」


インタビューは以上で終わっています。

始終、長い髪をくしゃっとさせながら頭をかき、照れながら話をしているドーラが、とても印象的です。

シチリアのフランク・コーネリッセンが、
「彼女が10歳若かったら、結婚したいくらいだ。
最高にエレガントな女性だと思う。」 と、彼女を評していました。

ラ・ビアンカーラのアンジョリーノ先生(ただし彼はドーラを「たいしたタマだ!」というやマッサ・ヴェッキアのファブリツィオもひと目ぼれなのですから、ワイン業界の人気を独り占めですね。

人生の酸いも甘いも知り尽くした、大人の魅力です。

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