当店創業以来、ずっと定番で扱っているサングイネート。
ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチャーノで伝統的な、当主のドーラ嬢の言葉を借りるならば『真面目な』ワインを造る、小さなワイナリーです。
ノービレ・リゼルヴァの2003年などは、今かなり飲み頃です。
You Tubeで彼女の素敵なインタビューを見つけましたので、ぜひ見てみて下さい。イタリア語が分からなくたって、今後あの、大きく赤く〝S”と書かれたラベルを手に取るたびに思い出せるくらいには、印象に残るキャラクターだと思います。
「サングイネートを語ること、それはドーラを語ることに他ならない」と冒頭で彼女が述べている通り、サングイネートのワインは、ドーラそのものです。
店長、ちょっと時間が見つかったら、インタビューの翻訳も載せますね。
まずは、彼女の愛すべき、皺だらけの顔と、とってもセクシーなガラガラ声だけでも聞いてみてください。
。。。。(ちょっと時間見つけました) DORA ドーラ
"Sanguineto….che dire…..(頭をかきながら)
Parlare di Sanguineto e’………e’ parlare di Dora.
Il suo amore per il vino.”
「サングイネートについてって…なんといえばいいか…
サングイネートについて語ること、それは、ドーラについて語ること。
ワインへの愛について、を」
(突然照れて「や~~~はずかしい」とカメラに寄ってくる)
Sanguineto サングイネート (0’25”)
「人生においては、誰もがそれぞれに目標を持っているでしょう?…そこにたどりつきたいというような。
わたしだって若い時は世界中を放浪したり、まあいろいろやんちゃなこともしてきたけれど、サングイネートという場所において、わたしはわたし自身を実現しようと試みてきた。
ワインというものを通してね(Attreverso il vino)。
作品に、わたしのサインを残すみたいに、ね?」
Il Vigneto ぶどう畑 (0’57”)
「(最初の剪定作業のため)畑のある丘に足を踏み入れ、頂上を見上げた瞬間「わたしあんなところまでたどりつけるわけない」って思った。
だからくるりと背中を向けて、目の前に果てしなく広がる(モンテプルチャーノの)風景を眺め、そのままバックギアーで進むことにした。
さっきの恐怖を持たずに仕事を進めているうちに、いつの間にか頂上にたどり着いていたってわけ。」(中略)
「剪定が終わった最後の日、家にやっと辿り着いて、わたしはボロボロに疲れてて…でもその夕暮れ時の田舎の匂い、音…全てが帳消しにされてしまう。
音の沈黙…失礼、〝沈黙の音”って、聞いたことない?」
Il Vino ワイン (1’53”)
「わたしはトラディツィオニスタ(伝統主義者)なので、もちろん、伝統にぴったり寄り添ってワインを造ってる。代々譲りうけてきた伝統を、守り続けていきたい。そのために努力してる。誰かに語り継がれることを祈ってね。
わたしが教えられたことを、わたしなりに解釈し、時に洗練させ…それはまあ第三者が決めることだから知らないけれど…それらを全て、
…すべて一本のワインのボトルに送り込んでいる。」
インタビューは以上で終わっています。
始終、長い髪をくしゃっとさせながら頭をかき、照れながら話をしているドーラが、とても印象的です。
シチリアのフランク・コーネリッセンが、
「彼女が10歳若かったら、結婚したいくらいだ。
最高にエレガントな女性だと思う。」 と、彼女を評していました。
ラ・ビアンカーラのアンジョリーノ先生(ただし彼はドーラを「たいしたタマだ!」というやマッサ・ヴェッキアのファブリツィオもひと目ぼれなのですから、ワイン業界の人気を独り占めですね。
人生の酸いも甘いも知り尽くした、大人の魅力です。
0 件のコメント:
コメントを投稿